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同志社ファンを増やす会

平成26(2014)年10月15日
同志社ファンを増やす会 発行

 

【ファンレポート48号のPDFファイルはココをクリックしてダウンロードしてください】

 

<はじめに>

 今回はイスラムについての「正しい」知識が得られます。
私たちが知るイスラムの情報は「過激派」や「テロ」と結びつけて知らされることが多いから歪んでいるようです。
 専門の先生の「講義」を映像で学ぶことは「活字」と違ってとても分かりやすいと実感しました。
「ムスリムとは?」から講義され、「イスラムの良心」までが分かります。

 

 私は受講後、まとめのメモを作っていました。その時「今年のノーベル平和賞がパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)と、インドのカイラシュ・サトヤルティ氏(60)に決まった。」とのニュースが飛び込んできました。

 2人が選ばれた背景には「世界各地で子どもの人権が過激派などに脅かされている現状を憂慮し、教育の機会の確保や児童労働の根絶に取り組むよう各国に促す意図が込められている。」という。
 マララさんはパキスタンで少女が教育を受ける権利をインターネットを通じて訴えていたのですが、そのマララさんが2012年に銃撃されたのです。銃撃したのは「パキスタン・タリバン運動」で、この組織は、イスラムの教えを極端に解釈し、支配地で女子教育の禁止などを住民に強制しようとしている、というです。

 

この記事について今回の授業を担当される内藤正典先生が朝日新聞でつぎのように語っておられた。
http://digital.asahi.com/articles/ASGBB62KGGBBPTIL02Y.html
〈イスラム社会に詳しい内藤正典・同志社大大学院教授のお話〉

 

 マララさんへの暴力は許されることではないが、銃撃されたマララさんは「ヒロイン」の一方、米国の空爆で亡くなった同世代のイスラム社会の女性は、何の賠償も受けていない。中東の混乱は、こうした不公正感がベースにある。
 マララさんの受賞で過激派組織が反省するとは思えず、西欧的な価値観に対して懐疑的な穏健なイスラム社会からも、「政治的だ」という批判がマララさんに向く恐れがある。
 イスラム社会は女性教育を否定しているわけではないが、イスラムの価値観に根ざしていなければ広まらない。イスラムの人々も「おめでとう」と言うだろうが、それは暴力がやむことへの期待からで、西欧的教育を受け入れるかは別の話だ。

 

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パキスタンの実態は、国連教育科学文化機関(UNESCO)によると女性の6割は読み書きができず、10歳以下の小学校学齢期の女子のうち約3分の1は就学していない。
「本とペンを手に取ろう。それこそが最強の武器だ。教育こそが唯一の解決策だ」と、国連でマララさんは訴えたのは、この様な背景だったのです。


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ここまででもイスラムの女子教育の問題は理解できない。

 

更に情報を検索すると「池上彰が明かすイスラムビジネス入門 パキスタン編」に出会った。
内藤先生の講義を聞き、ここまで進むと理解の手がかりが得られます。

 

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「同志社ファン・レポート」第48号
平成26(2014)年10月15日

同志社ファンを増やす会 発行

 

*2014年度春学期の講座「良心学」の第11回と12回をご紹介します。

 

今回は内藤正典先生(グローバル・スタディーズ研究科教授)2回です。
つぎのURLをクリックして動画の講義を受講下さい。

 

・第11回 「向こう岸からのイスラムを考える
-イスラムの世界の良心、西欧世界の良心-」その1

 

 

・第12回 「その2」

 

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* 二回分の「まとめ」のメモ * (多田作成)

 

・単語の本当の意味
・アルカイダ:
・タリバン:

 

・イスラムとは、どんな宗教か?イスラームするとは?
 ・唯一絶対の神(アラビア語でアッラー)を信仰する。
 それは、全面的に神に従い、身を傾けること。
 従って、結果についても人間は責任を負わなくてよい。
 病 気になっても、それはたまたま神がそうしたのだ、と考える。

 ・信仰だけでは成立せず、外形的な法の体系を持つ。それが重要である。
 神からのメッセージを託されたムハンマド(預言者)が本にしたのが
 クルアーン(コーラン)であり、その教えを信じ、従っている。
 しかし、すべてが「厳守」ではなく、遵守のレベルには、幅がある。
 ・絶対にしなければならない/・やった方が良い。/どちらでも良い。/・やらない方が良い。/・絶対禁止。
 ・絶対にしなければならないもの例:五行
 1.信仰告白
 2.礼拝
 3.喜捨(ザカート)
 4.断食
 5.巡礼

 ・一神教である。
 イスラム教徒からは税を取らない。異教徒からは取っている。

 ・人間同士は平等と考えている。人種、民族、身分格差を認めない。
 例、他人の信仰についてジャッジはしてはいけない。

 

<神は慈悲深い存在である>
・神は人は欲望に弱い存在であり、ルールを守らないだろうと思っている。
 それで無理強いをせず、出来ない場合には、代替方法を示している
 例えば、断食はすべきことであるが、病気や旅行中の者は、別の日に
 すればよい。また、出来るのにしなかった場合、貧者に食べ物を施して
 償えば良い、としている。

・神は、弱者(孤児、貧者、旅人)に優しさと救済を命じている。

・神は、威張った人や傲慢な人を好まない。

 

<殺人と戦争についての考え方>
・理由なき殺人は厳禁。
・しかし、存亡の危機には戦うことが義務である。

 

<ムスリムの良心>
・人間は、神の定めを絶対に踏み越えてはならない。
・神の定めに従うことが「良心」である。

 

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<参考情報>
・内藤正則先生について

現代イスラーム地域研究、ヨーロッパにおける移民問題、西欧によるイスラーム誤認の問題、EUとトルコとの関係、トルコにおける世俗主義の変容などが現在の関心。
地域としては、今はトルコおよびトルコ系移民の暮らすヨーロッパ各国をフィールドにして
いる。あまり専門とは言いたくないが、イスラームとテロの問題も注視している。
使える外国語は、会話はトルコ語と英語。読むだけなら、四苦八苦しながら、ドイツ語、フランス語、アラビア語。

 

プロフィール
1956年生まれ。
1979年、東京大学教養学部教養学科・科学史・科学哲学分科卒業(教養学士)1981年、東京大学大学院地理学専門課程(修士課程)修了(理学修士)
1981年~83年、シリア、ダマスカス大学文学部地理学科に留学し、ダマスカス・オアシスでの沙漠化の研究に従事
1982年、東京大学大学院理学系研究科地理学専門課程(博士課程)中退東京大学教養学部人文地理学講座助手に採用
1986年、一橋大学社会学部社会地理学講座専任講師に昇任
1989年、同助教授
1990~92年、トルコのアンカラ大学政治学部に客員研究員として滞在
1997年、同大学院社会学研究科地球社会研究講座教授に昇任、同年、一橋大学より博士(社会学)の学位取得

2010年、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授に就任
現在、日本学術会議連携会員(地域研究)、UNESCO人文・社会科学セクター「社会変容のマネジメント」プログラムの科学諮問委員(アジア・太平洋地域選出)
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<学生へのメッセージ>
2001年9・11のテロが発生すると、西欧社会とムスリム社会との摩擦の現場を見てきた経験から、イスラームとテロの問題を西欧世界の側がひどく誤認していることに気づき、もっぱら、西欧によるイスラームとムスリムへの誤認に焦点を当てた著作に取り組んできた。

 

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-参考図書-
『一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 』(集英社新書) 新書 ?
2014/2/14 内田 樹 (著), 中田 考 (著) ¥ 821
中田先生は元同志社教授。イスラム教徒。対話形式で進められている。

 

-参考web-
「池上彰が明かすイスラムビジネス入門 パキスタン編」

http://special.nikkeibp.co.jp/as/201307/dhaka/pakistan_vol4/

 

<上記の抜粋・要約>
池上彰氏の上記の情報に、パキスタンの女子教育事情についてありましたので、抜粋要約し、追記します。

 

パキスタンでは、女性の社会進出がまだまだです。
厳格なイスラムの世界では、女性が外を歩くこともままならないケースが多々あります。けれどもパキスタンが経済発展をしようとするならば、イスラム教と折り合いをつけた上で、女性が教育を受け、自ら収入を得られるような技術や知恵を身につける必要があるます。」

 

「これまで紹介した学校には、女生徒がひとりもいないのです。残念ながらパキスタンでは、女性が教育を受ける機会が圧倒的に不足しています。パキスタンの学校の多くが男子校です。女子校は少数です。しかも女の子を学校に通わせるのを嫌がる親が少なくないのです。

 

なぜでしょう?
いくつかの理由があります。ひとつは貧困です。もうひとつは親の無理解です。女子に教育はいらない、と思っている親が少なくないのです。また、学校側の問題もあります。学校が近くにない、あっても先生が来ない、女子トイレがないなどの要因が女子が学校に通わせることができない大きな要因になっています。
さらに部族地域などでは女子教育を敵視するイスラム原理主義のパキスタン・タリバンの標的になることを恐れているからです。
パキスタン・タリバンは「女性は保護すべき存在であり、家で保護していなければならない」 という理屈です。


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次回 11/15は 位田隆一先生(グローバル・スタディーズ研究科教授)です。

 

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再録 <2014年度春学期の講座「良心学」の概要> シラバスより引用

本講義は、同志社の建学の理念、とりわけ「良心」を中心とした教育理念の歴史的背景を理解した上で、「良心」が現代世界の中で、どのような応用可能性を持ち、また、それをどのように実践できるのかを学際的に探求していきます。また本講義は、創立150周年を視野に入れた同志社が、良心教育の現代的使命を明確にしていくための「良心学」入門となります。
良心教育が同志社における教育の根幹をなしていることは言うまでもありませんが、新島襄が「良心」をどのような意味で使ったのかについては、十分な理解がなされているとは言えません。一般的には、良心碑に刻まれた「良心の全身に充満したる丈夫の起り来らん事を」や、「同志社大学設立の旨意」に登場する「良心を手腕に運用するの人物」という表現くらいしか知られていません。しかし、新島はかなり初期の頃からconscienceという言葉を使っており、「良心」という言葉によって、具体的に何を考えていたのかを整理する必要があります。
そのような学問的作業を踏まえた上で、新島の理念を現代に生かすとするならば、「良心」は現代世界が抱えている諸課題をどのように照らし出すだろうか、という点にまで、本講義では踏み込んでいきたいと考えています。以上の点をまとめるなら、本講義は次の二つの柱から構成されていると言えます。
(1)同志社教育にとって「良心」とは何か(基礎的・歴史的探求)
(2)「良心」は現代社会にどのように適用可能か(応用的探求)
世界の困難な現実と付き合わせる形で、旧来の「良心」理解を鍛え直す意欲的な講義を展開する予定です。また、この「良心学」の講義が、これから社会に出て行く学生諸君に対し、時代の激流の中にあっても「ぶれない」精神的基軸の一つを提供することを願っています。

<おわり>

 

 

各授業のタイトルと時間数が分かります。 以上

 

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