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このシリーズは「良心学」を5人の先生のご専門から「良心」を語っていただいています。
今回は、国際法/国際機構と国際生命倫理がご専門の位田隆一先生(グローバル・スタディーズ研究科教授)から「科学技術」や「生命倫理」からの視点や事例で「良心」を学びます。

 

講義の中に出てくる事例に次のようなものがあります。

 

・科学技術の発展のプラスとマイナス
 科学技術の発展で人類の進歩に大きな貢献したが環境問題という大きな損害も与えた。
 科学技術は人類の進歩のために何をしても良いか?

 

・原子の仕組みを利用した膨大なエネルギーが
 核兵器になるか、平和利用されるか、これは科学者の問題か、利用者の問題か?

 

・医学のための人体実験
 この事例は、華岡青洲の母や妻に行った実験やナチス・ドイツの人体実験。
 40年間も続いた米国公衆衛生局による梅毒人体実験など。
 医学のためならどこまで何をやってよいのか?
 「生命科学の倫理」が問われている。

 これらの問いに答えるのが、「倫理基準」これをどう設定するのか・・・。
 講義は徐々に核心に迫っていきます。とても深みのある内容です。

 

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*** 新島襄・同志社を良く知るためのメルマガ「同志社ファン・レポート」***
第50号・平成26(2014)年11月15日

同志社ファンを増やす会 発行

 

*今回は「良心学」の第13回と14回をご紹介します。
位田隆一(グローバル・スタディーズ研究科教授)2回です。つぎのURLをクリックして動画の講義を受講下さい。その場合、添付しました詳しい資料を手元に置いて、ご覧下さい。

 

 

・第13回 「科学技術の良心──国際生命倫理から見た(1)」

 

 

・第14回 「生命科学技術の良心──国際生命倫理から見た(2)」

 

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次回 12/15は 「良心学」第15回・最終回です。
5人の先生が勢揃いされ、まとめが行われます。


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「国際生命倫理」の理解のための<予備知識>

・「生命倫理」とは
生命科学・医学の研究やその成果の応用にあたり、何が良くて何が良くないのか、どこまでなら良くてどこからはいけないのか、どうすれば適切なのか、これらを判断する基準、すなわち生命に関する社会の規範が生命倫理である。

・なぜ、<国際>なのか?
今日、生命科学や医学は国境を越えて発展し、人々の健康、疾病の予防・診断・治療に大きく貢献する。
また、科学者や医者が国境を越えて移動し、科学技術自体が国の区別なく展開する現在の国際社会では、国やコミュニティの如何を問わずこうした倫理問題が発生する。

 

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<参考情報>
・位田隆一先生について


・学 歴
1966年3月 - 兵庫県立姫路西高等学校卒業
1972年3月 - 京都大学法学部卒業
1974年3月 - 京都大学大学院法学研究科修士課程修了
1976年3月 - 京都大学大学院法学研究科博士課程中途退学
1987年7月 - フランス・パリ第2大学高等研究課程修了(Dipl?me d'?tudes approfon
dies(DEA)取得)

 

・職 歴
1976年4月 - 京都大学法学部助手
1979年4月 - 岡山大学法文学部講師
1980年4月 - 岡山大学法学部助教授
1984年4月 - 京都大学法学部助教授
1986年11月 - 京都大学法学部教授
2009年4月 - 京都大学大学院法学研究科教授
2012年3月 - 京都大学定年退職
2012年4月 - 同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科特別客員教授、京都大学名誉教授

 

・プロフィール
(同志社グローバル・スタディーズ研究科のホームページより転載)
私には専門が二つある。国際法/国際機構と国際生命倫理である。
学生時代フランスに留学し、そこで出会った国際法の先生に魅了されたこと、そして独仏国境の戦場跡めぐりをして「人間の生命と幸福」の大切さを実感したことが、国際法研究者の道に入るきっかけだった。初めは、発展途上国の人々が豊かで幸福な生活を実現できるよう、南北問題の国際法(「開発の国際法」)に分け入り、そのなかで私が主張した学説が「国家間の実質的平等」)である。次に、国連などの国際機構に注目して、国際共同体にある人々の幸福のために国際法規範がどのように形成されるのかを追究した。国際社会において、まだ法にはなっていないが現実に国家が遵守している「ソフトロー」現象を明らかにしたほか、現代における様々な国際法規範形成の形態を分析してきた。
もう一つは国際生命倫理である。今日の生命科学・医学は国境を越えて発展し、人々の健康、疾病の予防・診断・治療に大きく貢献する。しかし一方で、人体の商品化、道具化・手段化などと呼ばれる現象や、人の尊厳や人権が蔑ろにされかねない状況、いわゆる倫理的法的社会的問題(ELSI)が生まれている。科学者や医者が国境を越えて移動し、科学技術自体が国の区別なく展開する現在の国際社会では、国やコミュニティの如何を問わずこうした倫理問題が発生する。生命科学・医学の研究やその成果の応用にあたり、何が良くて何が良くないのか、どこまでなら良くてどこからはいけないのか、どうすれば適切なのか、これらを判断する基準、すなわち生命に関する社会の規範が生命倫理である。
各々の国やコミュニティが、人の生命や存在について固有の価値観を有しつつ併存する状況の中で、多様性を基礎としながらも如何にどのような生命倫理規範を策定し、適用するか。生命科学医学の発展に対応する適切な倫理ガバナンスとはどのようなものか。また、生命倫理の考え方や規範を、科学者・医者、患者・被験者とその家族、一般社会全体に普及し教育研修していくか。このような問題を、国際法をバックグラウンドにもつ者として特に国際的観点から、社会規範としての生命倫理を研究し、それらが実社会の中で生かされるよう、国際規範や国内法・指針の策定や適用に深く関与してきた。
問題解決・提言型の研究プロジェクトを進めている。

 

(*1999年に開催された「世界科学会議」の分科会で講演を行っておられます。)
法と倫理は別ものと捉えられがちだが、いずれも社会の行動規範である。法はそれが立法過程を経たという形式的理由からにすぎない。私にとって、国家間の関係を規律する国際法の究極的な主体は国家の中にいる各個人であり、生命倫理が保護しようとしているのも患者や被験者、家族、さらに科学者や医者も含めて、社会の一人一人だ。国際法、生命倫理どちらも一人一人の人間の幸福を支えるものであり、いずれも同じ目標を持っているものである。

 

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再録 <2014年度春学期の講座「良心学」の概要> シラバスより引用

 本講義は、同志社の建学の理念、とりわけ「良心」を中心とした教育理念の歴史的背景を理解した上で、「良心」が現代世界の中で、どのような応用可能性を持ち、また、それをどのように実践できるのかを学際的に探求していきます。また本講義は、創立150周年を視野に入れた同志社が、良心教育の現代的使命を明確にしていくための「良心学」入門となります。
 良心教育が同志社における教育の根幹をなしていることは言うまでもありませんが、新島襄が「良心」をどのような意味で使ったのかについては、十分な理解がなされているとは言えません。一般的には、良心碑に刻まれた「良心の全身に充満したる丈夫の起り来らん事を」や、「同志社大学設立の旨意」に登場する「良心を手腕に運用するの人物」という表現くらいしか知られていません。しかし、新島はかなり初期の頃からconscienceという言葉を使っており、「良心」という言葉によって、具体的に何を考えていたのかを整理する必要があります。
 そのような学問的作業を踏まえた上で、新島の理念を現代に生かすとするならば、「良心」は現代世界が抱えている諸課題をどのように照らし出すだろうか、という点にまで、本講義では踏み込んでいきたいと考えています。以上の点をまとめるなら、本講義は次の二つの柱から構成されていると言えます。
(1)同志社教育にとって「良心」とは何か(基礎的・歴史的探求)
(2)「良心」は現代社会にどのように適用可能か(応用的探求)
 世界の困難な現実と付き合わせる形で、旧来の「良心」理解を鍛え直す意欲的な講義を展開する予定です。また、この「良心学」の講義が、これから社会に出て行く学生諸君に対し、時代の激流の中にあっても「ぶれない」精神的基軸の一つを提供することを願っています。

<おわり>


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<受講記録メモ>は添付の中にあります。

 

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