同志社東京校友会

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すみれ亭新年句会が大磯「鴫立庵」で開催される

 

時:2016年2月1日(月)

所:大磯鴫立庵

 

昨年末から暖冬異変が続いていたが、さすがに2月(如月(きさらぎ))を迎えて寒さは増してきた。

まさに、酷寒の文字に相応しい気候となってきたのである。

そんな中、恒例となった新年句会が今年は大磯の地において開催された。

当日は、晴れとまではいかず、薄曇りの空からは時折霙らしきものが舞ってくる

冷え冷えとした日であった。

 

さて、10時半大磯駅全員集合としていたところ、何と全員が10分前に到着したではないか。

平均年齢が75才になるグループにしては皆大いに意気軒昂である。

新年の新しい句作りに燃えているのであろう。

でも、服装はアラスカにでも行くかの如き重装備である。

なにしろ句会場には「暖房設備」がないと聞かされているから、皆思い思いに工夫した

暖かい服装で来たのである。

今回、残念ながら一人インフルエンザで突然出られなくというアクシデントがあったが、

この年齢にしては上出来といえよう。

 

新島襄碑前にて

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先ずは、大磯の街を散策しながらわが母校の創始者・新島襄の碑前に詣でた。

先生はここにあった「百足屋旅館」で天に召されたのである。

お花を碑前に手向けて後、今回の参加者14名全員で元気に讃美歌312番

(いつくしみ深き友なるイェスは)、Doshisha College Songを斉唱した。

各々在校時代を思い出したことだろう。

 

照ケ崎海岸

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次に、照ケ崎海岸といって日本最初の海水浴場を訪ねた。冬の海にしては波も静かであった。

もうひねもす春もそばまできているからであろうか。

ここからの富士はまことに美しいというが、生憎曇天の空で富士の絶景を見ることはできなかった。

海沿いの松だけが淋しく繁っていた。

 

役所より贈られたお花

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海岸を散歩して大分身体も冷えた頃合いに、今日の昼食のレストラン「はやし亭」へ到着した。

そこには、驚いたことに役場より「お花」の差し入れが用意されていた。

何でも、この寒い中で「(しぎ)(たつ)(あん)」で句会をやるというのに応えて、

役場の担当者がお花の差し入れをしてくれたようなのである。

これには皆感激!

 

レストラン「はやし亭」で昼食

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レストラン「はやし亭」名物のカツ料理を頂き、ほんの少々アルコールも入れたので

句会への準備も万端である。

 

鴫立庵

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いよいよ、句会である。「鴫立庵」はレストランの隣という実に便利なところにある。

国道1号線に面しており、新島襄碑からでもほんの僅かの距離である。

時代を伝える(けやき)の木が入り口わきにドンと植わっている。

庭内正面には「円位堂」といって、西行の別称「円位」からとった堂がある。

庭内には多くの記念すべき石碑が残っている。

句会場となった建物は入って右手にあるが、暖房は一切ないと云われていた。

ところが庵の好意で電気ストーブを1台用意して障子も閉めて、

何とか凌げる状態にしてくれていたのである。

このご好意には皆大いに喜び、句作りに励むことができた。

 

句作りに励む

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この好条件に助けられて、句会も順調に進めることができた。

句会は、「当季雑詠」1句、あかぎ倦鳥主宰よりの席題句「海」1句の2句を作った。

それぞれに特選句が選ばれたが、その内容は別途掲載されるのでここでは省略します。

 

句会を終えて

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また、会場「鴫立庵」が西行(ゆかり)の地であるので、「西行の生涯」について僕河童がお話をした。

この場所は江戸時代に俳人大淀三千風が、こここそ西行の「鴫立沢」に違いないとして、

庵を結んだのである。西行は、ここでこんな歌を詠った。

 

心なき身にもあわれは知られけり

         鴫立つ沢の秋の夕暮

 

戦いに明け暮れる源頼朝がここへ差しかかった夕ぐれ時、鴫が飛び立つのを見た。

「これほど心を動かす景色を余は見たことがない」とその自然の美しさに感動した。

そのことを知った西行は、源頼朝という人間の心の深さに心動かされて

この句を詠んだというのである。

無事、句会も済み駅前のレストランで一休みし、お土産に菓子輔新杵の「西行まんじゅう、

虎の子まんじゅう」を手に散会した。

 

(諏訪河童記)

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