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【11月19日(土)公開】 映画「家族の日」 【大森監督インタビュー】

 

11月19日(土)から新宿「K’s cinema」で公開される映画「家族の日」の

大森青児監督〔1972年(昭和47年)経済学部卒〕にインタビューさせていただきました。

 

「教育というのは、1人では生きられないということを学ぶこと」

 

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「家族の日」は、絆を失いかけた家族のひと夏の物語。
大森青児監督の映画としては第1回監督作品です。

 

--「家族の日」のテーマや見どころは、何ですか?

 

【大森】テーマは教育問題です。

私、今の教育には反発もありまして、費用対効果を言い過ぎるのではないかと・・・。

これだけお金を掛けたから、すぐ次の年には学力テストが上がるとか偏差値が上がるとか。

教育なんて今日投資したから明日結果が出るとかから一番遠いところにあるんですよ。

 

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小学校、中学校で嫌な先生だと思った先生が、何十年か経ってみると、

あの先生いい先生だったかもと思ったりすることがある、私はあるんですよ。
そうすると教育というのは30年、40年経って、あの時、あの先生が言っていたことは、

こういうことだったのかと思ったりするような、そんな分野なんですよ。
文化や芸術もそうなんです。ものを売るのとは違うんです。

 

商品を売る、今日、売上がいくらあったという費用対効果と違うんです。教育・文化・芸術は。
ところが教育も費用対効果じゃないと、文科省も費用対効果が無いと金を注ぎ込まないという、

そんなバカなことになっていると思うんです。
それに対する静かなアンチテーゼ、要するに「教育というのは、1人では生きられないということを学ぶこと」

というのがこの映画のテーマです。もう1つ言うとすれば「周りの人とともに生きることを学ぶ」ということです。

 

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もう一つのテーマは「生と死」、生きることと死ぬこととはどういうことか、ということを隠しテーマにしているつもりです。

きれい事ではなく、生かされているという感覚、使命を持たされて生かされているという感覚、

私はそういう感覚が実感として強烈にあります。

だから元気で動ける間は、全精力を込めてこういう映画を作り、とにかく見てほしいと思っています。


もう一つのこの映画の特徴は、「参加型」と言っているのですが、エキストラ、役者、スタッフを含めて、

みんな俺のもとに寄ってきてくれ、みんなで一緒にやろうぜということでやりました。

高梁市の人達には、ここでロケをやったと言うのではなく、俺たちがやった、俺たちが映画を作ったと言ってくれと言いました。

だから高梁市は32,000人の町ですが、3日間で6回、3,000人近くが観てくれました。

高梁市の人達に背中を押されて、全国で上映することにしたのです。

岡山、大阪、京都は終わりましたが、この後、名古屋、東京、熊谷、神戸で上映します。

 

--これまでの上映での反響は、どうでしたか?

 

【大森】凄かったです。大阪は3週間の予定が4週間に延びました。岡山では5週間やって1日7回というのもありました。

まだ行くかどうかわかりませんが、中国からも引き合いが来ています。

ヨーロッパにも行きたいと思っているので、今、英語訳も作っています。

 

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--これからの抱負は?

 

【大森】私が担当した「武田信玄」(NHK大河ドラマ)に、武田信玄が日本地図を置いて、

征服したところに武田の旗を立てていくというシーンがありました。

武田信玄は道半ばにして倒れましたが、私は、この映画で全国制覇しようと思っています。

東北6県と金沢は交渉中、博多は来年1月、同時に九州全県で公開するように進めています。

札幌も目処が立っていますが。広島と四国はまだこれからです。


ですから、ぜひ、観てください! みんなの力を結集しているので、良い映画になっていると思います。

 

--ありがとうございました! 公開されましたら、ぜひ観に行きたいと思います。

 

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「家族の日」公式サイト

 

11月19日(土)新宿 K's cinema 劇場公開 ☆ 初日舞台挨拶】

[1]12:15~ 上映スタート  上映後 大森青児監督、川上麻衣子さん

 

11月20日(日)新宿 K's cinema 舞台挨拶】

[1]12:15~ 上映スタート  上映後 大森青児監督、伊原剛志さん、田中美里さん、岸部一徳さん

 

【上映日時】

新宿 K's cinema   11月19日(土)~12月9日(金)
11月19日(日)~12月2日(金)【1日3回上映】
(1)12:15~、(2)14:30~、(3)16:40~
12月3日(土)~12月9日(金)【1日3回上映】
(1)12:15~、(2)14:15~、(3)16:15~

アクセス


◆埼玉・熊谷  シネティアラ21    11月26日(土)~
◆愛知・名古屋  ミッドランドスクエアシネマ2   11月12日(土)~

 

【大森青児監督略歴】
1948年生まれ。岡山県出身。
1972年同志社大学経済学部卒業。同年NHK入局。
NHKのチーフディレクターとして数々の功績を残し、2006年NHK退職後、㈱花三代表取締役就任。


【主な作品】
◆テレビドラマ:
NHK大河ドラマ「武田信玄」
朝の連続テレビ小説「鮎のうた」「はね駒」「京・ふたり」「ぴあの」
単発ドラマ「新王将」上海国際テレビ際・主演男優賞
「株価0!!」(放送文化基金賞・優秀賞、ギャラクシー賞)
銀河テレビ小説「私小説」ギャラクシー賞受賞
「天空に夢輝き~手塚治虫の夏休み~」ハイビジョン国際映像祭グランプリ、ノンブルドールベストサウンド賞
「生存~愛する娘のために~」(上野樹里のデビュー作)ギャラクシー賞ほか受賞作品多数


◆舞台:
明治座 川中美幸特別公演「富貴楼お倉~ジャスミンの花咲く頃~」
明治座、新歌舞伎座 川中美幸特別公演「天空の夢~長崎お慶物語~」
(第66回 文化庁芸術祭・大衆芸能部門大賞)

 

インタビュー収録 : 10月28日(金)

 

インタビュー/小川夏果 (女優、法学部卒)
文責・写真/新田博伸 〔1977年(昭和52年)法学部卒〕

 

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