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日本の「原風景遺産巡り」尾瀬再び! 紀行

 

今回の尾瀬日帰り旅行は、大清水ルートを選択しました。
その背景は大清水~一ノ瀬間(3.2km)に今夏より低公害バスが正式導入され

利便性が高まったことにあります。

しかしながら裏を返せば当ルートの日帰り行程は、バス運行が実現しなければ

一般的では無かったことの証左ともいえるでしょう。

鳩待峠と比べやや急こう配になる1.7倍の標高差をクリアする必要があるのです。

 

以下尾瀬沼への山歩(山歩き)のドキュメントです。


◆7時48分
東京駅、上越新幹線MAXとき305号新潟行き乗車。
◆8時54分
上毛高原駅に到着。関越タクシーのチャーター便がお待ちかね。

長身の運転手さんは以前お世話になったKさんでした。

国道120号線はシルバーウイークの余波なのかガラガラ。
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途中で予約した、虎の子のマイタケ弁当を受け取ることになっています。
◆9時40分
井上食堂到着。街道沿いのやや鄙びた民家がそれらしい。
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表札代わりに井上食堂とある。食堂と言っても飲食するスペースはない。

ただ長机に置かれた品物を引き取るのみ。

ユニークさに折角なので記念写真をと頼んではみたが女将(言動から推察)は固辞、

鄙びた感じは建屋だけで十分との切り返し。

さらばと店内を物色すれば、壁に無造作に止められた見覚えのある顔写真

(名前は忘れたがスポーツ関係)。

何でも突然訪れ、余った弁当があれば全て譲ってほしいと云われお買い上げいただいたとのこと。

摩訶不思議なお店と思うのだが、運転手さんは何事もなかった様に出発。

片品村観光協会から紹介頂いた時も普通のお店です、とのニュアンス。

地産地消・地域密着とはこのことなのか...。
◆10時15分
大清水休憩所(標高1,190m)
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大型バスが2~3台 乗用車がパラパラで空きスペースが目立ちます。

早朝に訪れ、昼ごろ下山するパターンが多く、日帰りの我々の行程は少数派に属するのです。
◆10時30分
大清水出発、9人乗り低公害バスで一ノ瀬休憩所まで3.5kmの道のりです。

当バスの成り立ちは、特定の入山口への集中緩和や滞在型、

回遊型利用を促進するため地元業者4社共同で、

今夏より本格的運行が始まったとのことです。
今回の参加者は5名。それと分かる山歩会(山歩き)精鋭の面々です。
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写真右より、上り坂の神NFさん、尾瀬は両指で数えられないほど体験の頼りになるMさん、

10月の支部会が気になるWさん(関東圏では三県の支部長が40会員なのです)、

気遣いでいつもサポートいただくNDさん、世話人のO(ややボ~としていますがたまたまです。)

名付けてサンタツ(山歩の達人)5人衆なのです。さらに言うならば、スポーツ万能のS女史、

骨折でも何食わぬ顔して完歩のH女史が参加であればゴールデンメンバー、

ダメ押しで群馬県の支部長NYさんが揃えば鬼に金棒。それは又の機会に…。
◆10時45分
一ノ瀬休憩所(標高1,423m)。ここから徒歩による入山です。
気づかない人もいるようですが、雑草の種を持ち込まないよう付着した種を落として入山しよう

という告知を目にしました。
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そういえば初夏の尾瀬ヶ原では、クマザサの一種が繁殖して困っている

という現実をガイドさんから知りました。

水分を吸収してしまうので湿原が台無しになるそうです。なるほど部分的に地割れが認められました。
さて、いよいよ尾瀬沼ルートへの徒歩チャレンジです。
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最初は清流沿いに余裕をもって進みます。

途中から階段状の木道や自然道が交互に現れます。

おっとっと
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勾配も急に。意識的に休憩を挟むようにしましょう。
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上を見れば峠は真近に迫っているようですが、ジグザグの登坂路は侮れません。
◆11時50分
三平峠(標高1,762m) 手前には名水岩清水の湧水を体験できる場所があります。

後で知ったのですが、群馬県山岳水場の中で最もきれいな水と言われているそうです。
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先客がいて(下山中の女性でした)、大きな袋状のものに大量の水を入れて

大事そうにリュックにしまっていました。

「飲めますよね。」と声をかけたら「―えっ!ええ。」との返事、野暮な質問だったようです。

長めの休憩の間全員で試飲会。無色透明、勿論無臭美味しい水でした。

片品村の水は軟水であり、日本茶や和風料理に適しているそうです。
あと一息、階段状の木道をクリアすると平坦な自然道、やがて下り道につながるのです。
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色付きには早い時期ですが、まれに赤く染まった木々に癒されます。
当地の紅葉は黄色系が多く、鮮やかな赤は珍しいのです。
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さて、視界が広がり余裕ができるとあの弁当のことが頭をよぎります。

オット見てください。木々の間から尾瀬沼が見えるではありませんか。
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◆12時15分
三平下(標高1,666m) 20分ほどの遅れです。尾瀬沼を眺めながらの沼山荘休憩所で昼食となります。
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この時気づきましたが、尾瀬沼が見えると何故か空が青くなるのです。
ベンチに腰を下ろしあのマイタケ弁当とご対面。

分かっているので各自無口になりひたすら食べるのに専念。

Mさんは初体験でしたが、「これは旨い」と独り言。

「あ、そう」と聞き流すふりをしましたが内心はうふふ…大成功!
ここで行程の再確認。この時点での20分の遅れは軽視できず、

気遣いのNDさんが何やらポケットからモソモソとメモを取りだし尾瀬沼一周は時間的に厳しい。

周遊コースはあきらめビジターセンター経由大江湿原方面の散策を勧めますとの提案です。

(時間に余裕が出来れば吹き割の滝見学を含みとして) いつもながら正しい判断でした。

行程再確認の密談場所
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◆12時45分
尾瀬沼ビジターセンター
大江湿原には尾瀬沼を左側に見ながらの移動になり、前方には草紅葉の景観が広がってきます。

まずはご覧あれ。
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一応目標達成に一同大満足。
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<写真21>
 
◆14時00分
大江湿原入口付近 いよいよ尾瀬沼、燧ケ岳ともお別れです。
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復路は三平峠まで若干の上り。あとは一ノ瀬休憩所迄下りです。
岩清水付近の清流。
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朝はここを登ったのです。

◆15時40分
一ノ瀬休憩所 全員無事帰還。変更後の予定通りです。
話題としては、上り坂の神NFさんが下り坂で3度尻もちの告白。

大したことは無くビッグニュースになる程のことではありません。

40会は個人情報保護を徹底していますので各自消去下さい。
16時発の低公害バスは満席(定員9名)で、定刻前に早足ほどの低速で出発。
◆16時15分
大清水休憩所 チャーター便は待機していたので直ちに出発。

吹き割の滝の散策もゆっくり出来るでしょう。
◆16時50分
吹き割の滝 近くで見ればなかなかの迫力。

初めての人には付録ながら良い思い出でになります。20分位の滞在でした。
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◆18時00分
駅前の蕎麦屋さん天丸 まずは山歩会全員の無事帰還、乾杯!
この時タイミング良くS女史から?、全員無事の確認と労いの言葉を頂きました。

意外な演出に場は一層和み、この後出た天ぷらの美味しかったこと。

参加者は0.5名追加としましょう。

名残惜しいですが山の日暮れは早く19時過ぎには天丸を後にしました。
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◆19時23分
上越新幹線上りたにがわ412号に乗車。

 

◆10年前
<昔の思い出>
帰りの車中で、一昔前の思い出に浸りました。

尾瀬を初めて訪れた際5時間ほど滞在時間がありゆっくり散策することが出来ました。

我々の直後を少人数の若者グループがいて元気な声を響かせていました。

「これが尾瀬なのか、しかし遠いなあ-」アクセントから関西方面のグループでしょう。

「でもまた来よう」といった会話を思い出します。

尾瀬はリピーターが圧倒的に多いと聞いていました。

10年前は鳩待峠に戻ってくると排気ガスの臭いが気になりましたが今はありません。

尾瀬の貴重な自然を守るため、行政、自治体、土地所有者、山小屋組合などが

保全活動を行っていますが、訪れる人々のコモンセンスこそ不可欠であり、

それはリピーターによって引き継がれているものと思います。
10月17日には尾瀬も閉山とか、アプローチには多様な選択肢がありさて今後の秘策や如何に。

なにせサンタツのリピーターなのです。

来春にはオリジナルグッズとしてTシャツとニコニコワッペンを準備しましょう。

 

「日本の原風景めぐり」尾瀬再び!

 

▽日程 9月28日(日)
▽参加者 5名
▽天候 曇りのち晴れ
▽コース 大清水⇒一ノ瀬休憩所⇔三平峠⇒三平下⇒大江湿原
▽歩行距離 14km(往復)

 

[ 紀行文 ] T. 小川
[編集]N・D

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